精液を洗浄・濃縮処理し、排卵のタイミングに合わせて子宮内に直接注入する治療法です。タイミング法からのステップアップとして、多くの方が取り組まれています。
人工授精とは
人工授精(AIH:Artificial Insemination with Husband’s semen)は、採取した精液を専用の培養液で洗浄・濃縮し、運動性の高い精子を選別したうえで、細いカテーテルを用いて子宮腔内に直接注入する方法です。
精子が卵子に到達するまでの距離を短縮することで、自然妊娠に比べて受精の確率を高めます。処置自体は数分で終了し、痛みもほとんどないため、身体的な負担が少ない治療です。
排卵誘発剤の併用により複数の卵子を育てることで、さらに妊娠率を向上させることも可能です。
治療の流れ
月経開始・初回診察
月経開始から5日以内にご来院いただき、排卵誘発剤を処方します。排卵誘発剤を使用することで妊娠率の向上が期待できますが、処方が不要な方もいらっしゃいます。その場合は排卵日の数日前にご受診いただき、必要に応じて採血や超音波検査を行います。
卵胞チェック・人工授精日の決定
超音波検査で卵胞の大きさを計測し、排卵日を正確に予測します。卵胞径が20mm前後となる日を狙って人工授精の実施日を決定します。当院では夜間の人工授精にも対応しています。
人工授精日
当日に精液を採取いただき、培養室にて洗浄・濃縮処理を行います。不要な成分を除去し、運動性の高い精子のみを選別して注入用に調整します。その後、細いカテーテルを子宮腔内に挿入し、精子を直接注入します。処置は数分で完了し、痛みもほとんどありません。注入後はそのままお帰りいただけます。
排卵確認
超音波検査で卵胞がしっかりと排卵しているかを確認します。まれに排卵に至らないケースもあるため、その結果も踏まえながら次周期の治療方針についてご相談します。
判定
生理が来てしまった場合は、再度のタイミング法や人工授精、または体外受精へのステップアップを検討します。排卵確認時にご相談した内容を踏まえつつ、来院当日にもあらためて治療方針をご相談いたします。
このような方におすすめです
当院の人工授精の特徴
当日対応・柔軟な予約
排卵のタイミングに合わせて当日の実施にも対応。予約の変更は当日午前中までにご連絡ください。
精密な精子調整
密度勾配遠心法による洗浄・濃縮で、運動性の高い精子のみを選別。受精率の向上を目指します。
男性不妊にも対応
泌尿器科専門医が男性側の精査も同時に行い、精液所見に合わせた最適な調整法を選択します。
タイミング法との違い
| タイミング法 | 人工授精(AIH) | |
|---|---|---|
| 方法 | 自然な性交渉 | 精子を子宮内に直接注入 |
| 精子の処理 | なし | 洗浄・濃縮・選別 |
| 1周期の妊娠率 | 約3〜5% | 約5〜10% |
| 通院回数/周期 | 2〜3回 | 3〜4回 |
| 身体の負担 | ほぼなし | 軽微 |
費用の目安
人工授精は保険適用の治療です。1周期あたりの目安は以下の通りです。
※ 費用は保険適用(3割負担)の目安です。検査内容・薬剤により変動します。