将来の妊娠に備えて、今の年齢の卵子を凍結保存する選択肢です。加齢による卵子の質の低下を回避し、ご自身のライフプランに合わせた家族形成を可能にします。当院では医学的適応による卵子凍結と、社会的適応(プランニング)による卵子凍結の両方に対応しています。
卵子凍結とは
卵子凍結(未受精卵凍結保存)は、排卵誘発により育てた卵子を採卵手術で体外に取り出し、ガラス化法(Vitrification)により超低温で凍結保存する技術です。凍結した卵子は半永久的に保存でき、将来妊娠を希望されたときに融解して体外受精に使用します。
女性の卵子の質と数は年齢とともに低下し、特に35歳以降はその速度が加速します。卵子凍結は「今の年齢の卵子」を保存することで、将来の妊娠の可能性を広げるための選択肢です。
ガラス化法の飛躍的な進歩により、凍結・融解後の卵子の生存率は90%以上に達しており、新鮮卵子を使用した場合と遜色ない妊娠率が報告されています。
卵子凍結の種類
医学的適応
がん治療(化学療法・放射線療法)や自己免疫疾患の治療など、卵巣機能に影響を及ぼす医療行為の前に、妊孕性(にんようせい)を温存する目的で行います。
卵巣手術前
自己免疫疾患
子宮内膜症
社会的適応(プランニング)
現時点ではパートナーがいない、キャリアの事情で妊娠の時期を先延ばしにしたいなど、ライフプランに合わせて将来の妊娠の可能性を確保する目的で行います。
パートナー不在
将来に備えたい
年齢と卵子の質・数の関係
| 凍結時の年齢 | 卵子の質 | 1個あたりの出産率 | 推奨凍結個数 |
|---|---|---|---|
| 30歳未満 | 非常に良好 | 約8〜10% | 10〜15個 |
| 30〜34歳 | 良好 | 約6〜8% | 15〜20個 |
| 35〜37歳 | 徐々に低下 | 約4〜6% | 20〜25個 |
| 38〜40歳 | 低下が加速 | 約2〜4% | 25〜30個以上 |
1個の卵子から出産に至る確率は年齢とともに低下するため、年齢が若いほど少ない個数で十分な効果が期待できます。卵子凍結を検討されている方は、できるだけ早い時期にご相談いただくことをお勧めします。
治療の流れ
カウンセリング・検査
卵子凍結の目的・方法・リスク・成功率について丁寧にご説明します。AMH(抗ミュラー管ホルモン)検査やホルモン検査で卵巣予備能を評価し、何個の卵子を目標にするか、何回の採卵が必要になるかをご提案します。
卵巣刺激
月経開始後から排卵誘発剤(注射・内服)を使用し、複数の卵胞を同時に育てます。年齢や卵巣予備能に応じて最適な刺激プロトコルを選択します。定期的に超音波検査とホルモン検査で卵胞の発育をモニタリングします。
採卵
卵胞が十分に発育したら、トリガー注射後に採卵手術を行います。超音波ガイド下で経腟的に卵胞を穿刺し、卵子を回収します。当院では静脈麻酔に対応しており、痛みを最小限に抑えた採卵を行います。所要時間は15〜20分程度です。
卵子凍結保存
採取した成熟卵子をガラス化法で急速凍結し、液体窒素タンク(-196℃)で保存します。ガラス化法は従来の緩慢凍結法に比べて細胞内の氷晶形成を防ぐため、卵子の損傷を最小限に抑えることができます。融解後の生存率は90%以上です。
将来の使用
妊娠を希望されたタイミングで凍結卵子を融解し、顕微授精(ICSI)を行います。受精した胚を培養した後、子宮に移植します。凍結卵子の保存期間に医学的な上限はありません。
当院の卵子凍結の特徴
静脈麻酔下の採卵
痛みへの不安を最小限に。目覚めたときには処置が完了しているので、初めての方でも安心して受けていただけます。
夜間・休日も対応
365日・夜21:30まで診療。お仕事との両立が必要な方でも、卵胞モニタリングや採卵のスケジュールを柔軟に調整できます。
高い凍結技術
ガラス化法による急速凍結で、融解後の卵子生存率90%以上を維持。最新の培養設備と経験豊富な胚培養士が対応します。
オーダーメイド刺激
AMH・年齢・過去の治療歴を踏まえ、一人ひとりに最適な排卵誘発プロトコルを選択。効率よく質の高い卵子の採取を目指します。
丁寧なカウンセリング
卵子凍結はメリットだけでなくリスクや限界もあります。凍結しても妊娠を保証するものではないことを含め、正確な情報を丁寧にお伝えします。
凍結から使用まで一貫
凍結保存から将来の融解・ICSI・胚移植まで、同じクリニックで一貫して対応。転院による卵子輸送のリスクがありません。
知っておいていただきたいこと
このような方におすすめです
料金プラン
当院の卵子凍結は、①初期検査費用・②治療費用(パック料金)・③凍結費用の3つから構成されています。患者様のお身体の状態や凍結される卵子の数により、下記に記載の範囲内で費用が変動いたします。
※ 他院で事前検査を実施されている場合は、初期検査費用から該当分を値引きいたします。
① 初期検査
② 治療費用(パック料金)
| プラン | 初回 | 2回目以降 |
|---|---|---|
| 中/高刺激セット | 180,000円 | 160,000円 |
| 低刺激セット | 160,000円 | 140,000円 |
※ 刺激方法は年齢・AMH値・卵巣予備能等を踏まえ、診察時にご提案いたします。
③ 凍結費用
※ 更新時期が近づきましたら、当院より書類をお送りいたします。更新をご希望の場合は書類にご記入のうえご来院いただくか、現金書留にて更新料をお支払いください。保存の終了をご希望の場合も、書類にご記入のうえご返送をお願いいたします。
東京都の卵子凍結助成について
東京都にお住まいの方は、都の「卵子凍結に係る費用の助成」により、治療費用(パック料金)から最大20万円の助成を受けることができます。
※ 翌年度以降の助成は、都が実施する保管状況調査へのご回答が条件となり、令和10(2028)年度まで実施予定です。
助成を受けるための主な要件
※ 要件や申請方法の詳細は東京都福祉局のホームページをご確認ください。助成金の申請は患者様ご自身で行っていただきます。ご不明な点は診察時にスタッフまでお気軽にお尋ねください。