超音波検査・視触診
男性不妊の診断において、精液検査だけでは把握できない精巣や精索の状態を、超音波検査と視触診で詳しく評価します。泌尿器科専門医だからこそ可能な、精密な身体診察を行います。
なぜ超音波・視触診が重要なのか
男性不妊の原因は精液検査の数値だけでは判断できません。精巣の大きさ(容量)は精子を作る能力と直接関係しており、精索静脈瘤の有無は治療方針を大きく左右します。
しかし多くの不妊治療施設では、男性側の診察が精液検査のみにとどまり、身体診察が省略されていることが少なくありません。精索静脈瘤は触診で発見できる疾患であり、適切な治療で精液所見を改善できる可能性があります。
当院では泌尿器科専門医である院長が直接診察し、超音波検査と視触診を組み合わせた精密な評価を行います。
検査内容
陰嚢超音波検査
高周波プローブを用いて精巣・精巣上体・精索の構造を詳細に描出します。精巣容量の正確な測定、精索静脈瘤の血流評価(カラードプラ法)、精巣内の腫瘤や石灰化の有無などを非侵襲的に評価できます。
視触診
泌尿器科専門医が直接触診を行い、精巣の大きさ・硬さ、精巣上体の腫大、精管の触知、精索静脈瘤の有無と程度(Valsalva負荷時の評価)を確認します。超音波では捉えにくい微細な所見も、熟練した触診で評価できます。
主な評価項目
| 評価項目 | 検査法 | 正常値・基準 | 臨床的意義 |
|---|---|---|---|
| 精巣容量 | 超音波(楕円体公式) | 15mL以上 | 精子産生能力と相関。小さいほど造精機能低下を示唆 |
| 精索静脈瘤 | 触診+カラードプラ | 静脈径 3mm未満 | 男性不妊の最も多い治療可能な原因 |
| 精巣上体 | 超音波+触診 | 腫大・嚢胞なし | 閉塞性無精子症の原因部位の特定 |
| 精管 | 触診 | 両側触知可能 | 先天性精管欠損の診断 |
| 精巣内病変 | 超音波 | 腫瘤・石灰化なし | 精巣腫瘍の早期発見 |
精索静脈瘤について
精索静脈瘤は、精巣から心臓に戻る静脈(精索静脈)の弁の機能不全により、血液が逆流して静脈が拡張した状態です。一般男性の約15%に認められますが、男性不妊患者では約35〜40%と高頻度で見つかります。
精索静脈瘤があると、逆流した血液により精巣の温度が上昇し、酸化ストレスの増大やホルモン環境の悪化が起こり、精子の数・運動率・形態に悪影響を及ぼします。
重要なのは、精索静脈瘤は男性不妊の原因の中で最も治療効果が期待できる疾患であるという点です。手術により約60〜70%の方で精液所見の改善が認められ、自然妊娠率の向上にもつながります。
当院の検査の特徴
泌尿器科専門医が直接診察
精巣・精索の触診は経験と技術が求められます。泌尿器科専門医として数多くの男性不妊患者を診察してきた院長が、自ら触診を行います。
カラードプラ超音波
血流の方向と速度を可視化するカラードプラ法で、精索静脈瘤の逆流を正確に評価。サブクリニカルな静脈瘤も検出します。
精液検査との総合判断
超音波・触診の所見と精液検査・ホルモン検査の結果を統合し、男性不妊の原因を多角的に評価。最適な治療方針をご提案します。
手術適応の判断
精索静脈瘤が見つかった場合、グレードと精液所見を総合的に評価し、手術による改善が見込めるかどうかを的確に判断します。
当日結果説明
超音波・触診の結果は検査当日にご説明します。画像をお見せしながら現在の状態と今後の方針をわかりやすくお伝えします。
プライバシーに配慮
男性の診察に対する心理的ハードルを理解し、プライバシーに配慮した個室での診察を行います。リラックスしてお受けいただける環境を整えています。
このような方に検査をおすすめします
費用の目安
超音波検査・視触診ともに保険適用で実施可能です。
※ 保険適用(3割負担)の目安です。初診料・再診料は別途発生します。精液検査やホルモン検査と同日に実施することも可能です。