精巣内精子採取術(TESE)
精液中に精子が見つからない無精子症の方に対して、精巣の組織から直接精子を採取する手術です。泌尿器科専門医である院長が、豊富な手術経験をもとに精密な手技で実施します。
TESEとは
TESE(Testicular Sperm Extraction:精巣内精子採取術)は、精液検査で精子が確認できない「無精子症」の方を対象に、精巣の組織を直接採取して精子を回収する手術です。
無精子症は男性の約1%に認められ、精子の通り道が詰まっている「閉塞性無精子症」と、精巣での精子産生自体に問題がある「非閉塞性無精子症」の2つに分類されます。どちらの場合もTESEにより精子が回収できれば、顕微授精(ICSI)を用いて妊娠を目指すことが可能です。
当院の院長は泌尿器科専門医と生殖医療専門医の両方の資格を持ち、男性不妊の診断からTESE、採取精子を用いたICSIまでを一貫して行える体制を整えています。
無精子症の分類
閉塞性無精子症
精巣では正常に精子が作られていますが、精管や精巣上体の閉塞により精液中に精子が出てこない状態です。精巣内には豊富に精子が存在するため、TESEでの精子回収率はほぼ100%です。
精巣上体炎後
パイプカット後
先天性精管欠損
非閉塞性無精子症
精巣での精子産生自体に障害がある状態です。精巣全体で均一に精子が作られていないことが多く、精子が存在する領域を慎重に探す必要があります。Micro-TESEにより精子回収率は約30〜50%とされています。
精子形成障害
停留精巣術後
化学療法後
TESEの種類
| 種類 | 方法 | 適応 | 精子回収率 |
|---|---|---|---|
| Conventional TESE | 精巣を小さく切開し、組織の一部を採取 | 閉塞性無精子症 | ほぼ100% |
| Micro-TESE | 手術用顕微鏡下で精細管を観察し、精子産生が期待できる領域を選択的に採取 | 非閉塞性無精子症 | 約30〜50% |
Micro-TESEは手術用顕微鏡(15〜25倍)を用いて精巣内を直接観察しながら行うため、精子が存在する可能性の高い太い精細管を選択的に採取できます。これにより精子回収率が向上するとともに、精巣へのダメージを最小限に抑えることができます。
治療の流れ
精液検査に加え、ホルモン検査(FSH・LH・テストステロン)、精巣超音波検査、染色体検査を実施し、無精子症の原因と種類(閉塞性・非閉塞性)を正確に診断します。泌尿器科専門医としての視点から、精索静脈瘤など治療可能な原因の有無も評価します。
診断結果に基づき、Conventional TESEまたはMicro-TESEのどちらが適切かを判断し、手術の方法・リスク・精子回収の見込みについて詳しくご説明します。奥様側の治療スケジュール(採卵時期)も考慮し、最適なタイミングを計画します。
局所麻酔または静脈麻酔下で手術を実施します。Conventional TESEは30分〜1時間程度、Micro-TESEは2〜3時間程度が目安です。採取した組織から胚培養士が精子の有無を確認し、精子が見つかった場合はただちに凍結保存します。
術後は当日帰宅が可能です。数日間の安静と鎮痛薬の服用で、通常1〜2週間で日常生活に復帰できます。回収した精子は凍結保存し、奥様のICSIのタイミングに合わせて使用します。
TESEで回収・凍結保存した精子を用いて顕微授精を行います。精巣から直接採取した精子は運動性が低い場合もありますが、ICSIでは形態の良好な精子を1個選別して卵子に注入するため、十分な受精率が期待できます。
当院のTESEの特徴
泌尿器科専門医が執刀
院長自身が泌尿器科専門医として手術を執刀します。男性不妊の診断から手術、術後管理まで一貫した診療が可能です。
診断からICSIまで一貫
精査・TESE・精子凍結・ICSIまでをワンストップで提供。他院への転院が不要で、ご夫婦の負担を最小限に抑えます。
日帰り手術に対応
Conventional TESEは日帰りで実施可能です。入院の必要がなく、お仕事への影響を最小限に抑えられます。
精索静脈瘤の同時治療
精索静脈瘤が併存している場合は、精子の質改善を目的とした手術を先行または同時に実施することも検討します。
術中迅速精子検索
手術中に胚培養士がリアルタイムで精子の有無を確認します。精子が見つかった時点で手術を終了できるため、組織採取量を最小限に抑えます。
夜間・休日も相談可
365日・夜21:30まで診療。手術前の検査や術後のフォローアップも、お仕事と両立しやすい体制で対応します。
術前に行う検査
このような方が対象です
術後の経過
費用の目安
TESEは保険適用で実施可能です(生殖補助医療の一環として)。
※ 費用は保険適用(3割負担)の目安です。術前検査費用は別途発生します。高額療養費制度の利用により自己負担がさらに軽減される場合があります。